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ハイドロキノンの胎児への影響

妊娠中にシミが増えてしまったという経験を持っている女性は意外と多いのではないでしょうか。
妊娠中は女性ホルモンの分泌量が普段の状態より増えます。
これによりメラノサイトが活発化して、シミの原因となるメラニン色素を多く生成するようになります。
これが妊娠中にシミが増えてしまう原因です。
シミは一度できてしまうとなかなか消すことができませんので、気づいたときにすぐに対処したいと考える人が多いと思いますが、妊娠中にハイドロキノンを使用することは禁止されています。
これはハイドロキノンが胎児に影響を与える可能性があるからです。

ハイドロキノンは高い美白効果があるとされている化粧品です。
適切に使用すればメラニン色素が酸化し目立つようになったシミを還元し、元の状態に戻す効果があります。
しかし、この還元作用は、メラニン色素にだけ働くわけではありません。

胎児は、母親のお腹の中で長い時間をかけ、細胞分裂を行いながら成長していきます。
このとき、すべての栄養素を母親の体から受け継ぐので、母親が摂取したものが胎児の体を作っていきます。
それは肌に塗ったものも同じで、皮膚吸収によって胎児に影響を与えます。
もし、一つでも細胞に傷がついてしまったら、そのダメージを受けたまま分裂をしていくことになります。
そして、ハイドロキノンは細胞に対して何らかの変異原性があることがわかっています。
細胞分裂が活発に行われている敏感な時期には変異原性物質の影響を受けやすく、母親が使用した毒性のあるものが皮膚吸収によって胎児に影響を与えてしまう可能性が否定できません。

どのような影響があるのか、そもそも毒性があるのかということは具体的にはわかっていませんが、流産や胎児への影響が考えられるものに対しては、常にそのリスクを取り除いていくことが大事になります。
妊娠中にできたシミは深刻な問題かもしれませんが、命に関わるような緊急性があるとはいえません。
そのため、胎児への影響を考え、妊娠中のハイドロキノンの使用は控えるようにしましょう。

メラノサイトとハイドロキノンの関係

肌が紫外線などを浴びると表皮の最下部にあるメラノサイトでメラニンが生成され、それが肌を守る役割をします。
ところが、メラニンの生成が過剰にされると、それが肌の表面に出てきて酸化することによってシミとなってしまうのです。
メラニンの本体となっているのは、メラノサイトにあるチロシンという物質です。
チロシンが酵素のチロシナーゼと合体し、メラニンを作り出します。
これまでの多くの美白成分は、チロシナーゼの働きを抑えることで間接的にチロシンを抑制するものでした。

ハイドロキノンは、こうした美白成分とは違い、チロシンに直接働きかけ抑制します。
一般的な美白成分の約100倍の抑制力があると言われています。
また、チロシナーゼの抑制についてもアルブチンやビタミンCなどよりも高く、美白効果も高くなります。

さらに、過剰に生成されたメラニン色素に対しても、還元作用により薄くする効果があるので、女性にとっては大きな味方とも言える成分です。

その一方で、酸素や光に対して不安定であり、肌へ塗ったあとすぐ太陽光を浴びるなどをすると皮膚がまだらに白くなる白班ができたり、刺激が強いために皮膚がかぶれるなどの副作用があることも知られています。
そのため、一時的に医療機関でのみ処方されていた時期がありました。
現在は、一般のスキンケア用品として認可され、誰でも使うことができますが、それでも肌が敏感な人などの使用には注意が必要です。

妊娠中は、胎児への影響だけではなく、母親の体調やホルモンバランスなどにも変化が起こりやすくなります。
これまで使っていて問題がなかったからという自己判断をするのではなく、小さなことでもなるべく医師に相談するようにしましょう。